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GENERAL FOCUS

2008 international CES レポート

世界最大級の家電見本市、CES2008が今年1月7日〜10日に米ラスベガスコンベンションセンターにて開催された。約2700社の出展企業、13万人を超える来場者規模の展示会により、今後のデジタル市場に影響力のある製品、新技術が多くみられた。これら製品の新意匠、新技術等、開発概念や色、テクスチャー、素材などに関連する情報を独自の観点にて紹介するとともに今後のトレンドについて考えてみたい。

「アコースティック Acoustic」デザインの重要性

今回のCESで最も脚光を浴びていた製品は薄型テレビ。近年の家電展示会ではお馴染みの様相だ。パナソニックの150型世界最大PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル Plasma Display Panel)、厚さわずか9mmというパイオニアの超薄型PDP、日立の3.5cm薄型LCD(液晶ディスプレイLiquid Crystal Display)、ハイビジョン映像など、大画面、薄型化、高画質などの新技術革新が注目を集めた。

また、7月に経営から退くことを表明しているMicrosoftのビル・ゲイツ氏は、CESにおける最後になろうスピーチで、今後10年で、iPhoneやMicrosoft Surfaceのテーブル型PC、音声インターフェイスの「Tellme」を挙げ、デジタルと人とをつなげるインターフェイスが進化していくだろうと指摘している。

ビル・ゲイツ氏の講演の主旨は、人とデジタルの関係性がますますシームレスになり、親和性が増していくということ。このトレンドは、インターフェイスの分野だけではなく、モノの色・素材・質感といったデザイン面や生活空間におけるデジタルと人との関係性など、幅広い分野で共通する価値観の流れである。

人間の側にデジタルを引き寄せる表現は多種多様に考えられる。例えばハイグロスのブラック。この流行はテレビやケータイなどで継続しているトレンドであるが、埃や指紋が目立って単純に考えるととても不便なカラーデザインだ。しかし、汚れた都度に拭いてきれいにするアクションは、深層心理の中に「愛着」という感情を刻み込んでいるのかもしれない。また、本革素材を加飾として使用するトレンドも見受けられるが、これは使い込んでいくにつれて手の油で飴色に変化していく革の表情に、人間的な温かいタッチを感じさせるデザインである。今回の展示の中は、特に携帯電話で質感へこだわる工夫が多く見られた。ソフトフィール塗装、皮革調シボ、フラワー型エンボス、揺らぎ曲線など、さまざまなデザインが採用されていた。携帯電話は直接手で握り締めて使用するプロダクトである。人の感情との関係性はとても重要であり、今後ますます興味深いデザイン展開がされるだろう。

近年、iPhone、Wiiなどの新感覚のインターフェイスデザインを採用したモデルが次々とヒットしている。これらはちょっと前に流行った「アフォーダンス」を加味したプロダクトともいえる。

デジタル技術の波が高くなってきた1980年代、デジタルはアナログとは異なることが嗜好された。音楽を例にとれば、シンセサイザーによるエレクトロニックな音質が時代にのった旋律となった。それから四半世紀が経ってさまざまな方面でデジタルはアナログに近づくことが求められている。ロボットの世界はその代表的存在だ。私は、今回のCES取材を通して、バーチャルではないリアルな感性に訴えかけるデザインが希求されていることを痛感した。それは「アコースティック Acoustic」デザインとも呼べる、洗練された生の響きを感じさせる表現だ。ソフトビジネスへの関心が高まるにつれて、デザイン言語は複雑化している。それだけ多面的な視点で進化が求められているのだろう。

*CES2008 Reportの詳しい情報・高解像度画像資料は、
08年3月発売予定のDICカラートレンド情報BOOKにて掲載

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