2008年4月16日〜21日、ミラノサローネ(ミラノ国際家具見本市)2008が開催された。この期間、ミラノの町は、郊外にある見本市会場だけでなく、市内のあちらこちらのショールームやギャラリーなどで数々のイベントや展覧会が行われる。今日のミラノサローネは、国際的な家具見本市という役割を超え、世界最大のデザインイベントとして、注目される祭典となっている。
さまざまな提案が見られたデザインイベントの中で、ここではミラノサローネの「GREEN」とユーロクチーナの「MIRROR」というキーワードをクローズアップして、デザイントレンドを紹介する。
イタリアのデザイン誌『INTERNI』(インテルニ)が主催したイベントテーマを筆頭に「グリーン」というキーワードが目立った。近年、グリーンはECO表現のわかりやすさを表すトレンドキーワードとして用いられてきたが、今年のサローネでは、トレンドとしてのECOから、単なるブームでは済まされない、今日のデザインにおける必然のキーワードとなり、その位置づけが変化したように感じられた。
カラーとしてのグリーンの傾向は、ビビッドや低明度での使用は少なく、全体的に黄みを帯びたイエローグリーンを主体とした「ミルキー」な柔らかく明るめの表現が増加している。これは「グリーン=新緑」からの脱却だけでなく、グリーンを広義にとらえた場合に求めるキーワードの変化が、カラーに影響を与えている。
一方、植物(グリーン)そのものを要素として取り込んだ表現のデザインも注目された。花器とは異なり、植物とモノとの関係性から発想されたデザインは、今後の新しいグリーンスタイルとして、カラー、テクスチャー要素を付加し、さらに発展すると思われる。


2年前のユーロクチーナ(*)ではハーフミラー表現の展開が見られたが、今年はもっとストレートに「ミラー」を用いた表現が増加している。ハーフミラーは、光の透過要素と反射要素を効果的に用いたカラーデザインであるが、純粋なミラーは透過要素もカラーもない。正反射あるのみである。
しかし、展示会場で見たミラー表現は、映り込みだけの面表現だけであるにもかかわらず、立体としての形の認識を強く訴えてくる。一見、トランスペアレントな、透明で何もない表現を求めた結果なのかとも考えられるが、そうではなく、あらかじめモノが映り込む効果を企図して、強い面としての存在感に注目した結果がミラーを採用した理由であると印象づけられた。
*:ユーロクチーナとは、ミラノサローネと同時開催されるキッチン商品の見本市。照明商品の見本市「ユーロルーチェ」と交互で、隔年開催の見本市である。

TEXT & PHOTO by Akira Kitaoka / dcd
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