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Interview COLORFUL LOUNGE guest / Shigeki Nakauchi ゲストのプロフィール

COLOR UNIVERSAL DESIGN 〜THEORY AND PRACTICE〜

「カラーユニバーサルデザイン 〜理論と実践〜」
第三回 カラーユニバーサルデザインの取り組みとこれからの課題

2010年10月22日(金)に、DIC(株)名古屋支店「2020年委員会色彩部会」が主催し、東海テレビテレピアホール(名古屋市)にて開催された「DICなごや カラーセミナー」での、豊橋技術科学大学教授 中内茂樹氏による講演内容を三回にわたって紹介する第三回目です。
今回は、カラーユニバーサルデザインの現状とこれからの課題についてお話します。

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カラーUDに対する取り組み

カラーユニバーサルデザインは、着実に広がっています。いくつか例をあげてみます。東京メトロの「Mの何番」というように、色と文字の複合的なデザインに変わってきた地下鉄マップ。国ごとに色を変えて国の境界を分かりやすくしている地球儀。地図帳も最近はわかりやすい配色になってきています。黒板のチョークも身近な例です。以前学校の先生は、大事なことを赤いチョークで書くことが多かったと思います。黒板といっても実際は緑なので、赤と緑では分かりにくい配色だったということが、これまでの話をお聞きいただければわかると思います。でも今は、重要なことは黄色を使うようになりつつあるようです。


また、阪急電鉄では、時刻表が見にくいという、人権救済の申し立てに対応して、京都の大平印刷(CUDのコンサルティングもされていて、色彩設計のノウハウもお持ちです)の協力を得て、時刻表だけでなく路線図や運賃表などすべての駅の表示物をカラーユニバーサルデザイン化されました。さまざまなメディアがあったので、変えることは相当大変だったと伺っています。救済を申し出た方も「それはもう感動しました。わかりやすい時刻表で、本当に嬉しい。」とおっしゃられたそうです。空港や道路など公共施設はたくさんあります。要望が出てくる前に率先して、どんどん見やすい色になっていくといいなと思います。

COLOR UNIVERSAL DESIGN 

ユニバーサルデザイン推奨配色セット

どういう色の組み合わせであれば、多くの色覚の方にとって見分けやすく、コミュニケーションが取りやすいか、ということをDIC、DICカラーデザイン、東京大学の伊藤先生、日本塗料工業会、石川県工業試験場の方、カラーユニバーサルデザイン機構が共同でつくられたのが推奨配色セットです。20色程度に絞り込んで、色と色名を設定しています。

これまでは、見えにくい人がいるという問題は良くわかったけど「では、どうすればいいのか」という具体的な一歩が、なかなか踏み出せませんでした。そこに「例えばこういう風にしたらどうですか」というこのソリューションが提案されたことは、非常に大きな進歩だと思います。

カラーUDのためのサポートツール


(写真提供:太平印刷株式会社)

カラーユニバーサルデザインをさらに普及させていくには、色覚に異常のある人の見え方を多くの人が理解することが必要になります。今までは画像をコンピューターに取り込んで、見分けにくい色かどうか判断するという方法でした。そこで我々は、色の変化を光学的にシミュレーションできるフィルターを開発しました。これをメガネにして、バリアントールという名前で伊藤光学に販売していただいています。これを一般の方がかけると、「この配色だと、同じような色に見えるね」というように、どういう配色が見にくいのかということに気づくことができます。何よりもその場で、その明るさのもとでどのように見えるのかチェックできるということは、とても大きいです。これは世界初です。民間企業でもデザイン部門を中心に浸透して利用が急増しています。三重県や岡山県など行政機関でも、まちづくりやハザードマップのチェックなどに使われています。また最近では、眼科医にもかなり普及しています。

学校生活における懸念

もう少し学校の話をします。男性の5%に色覚異常が発生するということは、40人学級の場合、クラスに一人は色覚異常の子どもがいる可能性があるということです。ところが、色覚検査の義務化が廃止された影響でしょうか、学校現場での意識が低いと感じています。学校長と養護教諭を対象にした調査結果で、色覚異常の方は赤と緑が全く分からない、運転免許が取れない、訓練で治るというような誤った認識の回答が数多く見られました。「校長はともかく、養護教諭も色覚異常に対する知識や理解がこんなに低いとは困ったものだ」と眼科の先生がおっしゃっていました。文科省は学校に対して「色覚に関する指導の資料」を出しています。学校現場では一層意識を高めていただきたいと思っています。そんな中で、足立区で新しく小中一貫校を作る時に、最初から色のデザインをカラーユニバーサルデザインに対応させたものにしようということで動き出したことは、とても素晴らしいことです。

最後に

バリアントールを使うことで、色覚異常の方が見分けにくい色に気づくことはできたと思います。しかし、色覚異常についての研究は進んでいますが、完全にはわかっていないのが現状です。我々の研究はまだまだこれからなのです。

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