Report INDIA 2008.05.09 INFORMATION

COLOR & CULTURE

「不思議な色の力で開運?」

インドでポピュラーな、メヘンディというタトゥーをご存知でしょうか?ヘナという木の葉を使って吉祥模様を描き、肌を染めるもので、2週間ほどで色は消えてしまいます。ボディアートとしてよりも、開運や魔除けの目的で描かれるのが特徴です。

深緑色のヘナによって、肌は緑色ではなく赤茶色に染まります。その不思議な色の変化から、何か神がかり的な力があると考えられたようです。ヒンズー神話にもヘナが登場し、富と幸運と豊穣の女神、ラクシュミーが最も愛する植物だとされています。ヘナが作り出す赤茶色は、ヒンズー教徒が日常的に用いる赤い粉にも通じます。赤い粉は吉祥とされ、祭事で祝福の印として額に付けたり、寺院にお参りした際に神像に付けたりします。また、ヒンズー教では花嫁は家に繁栄をもたらす吉なる存在として、結婚式では赤か緑のサリーをまといます。こうした2つの吉祥の色、赤と緑を併せ持つことからも、メヘンディの人気が高まっていったのでは?と考えられます。

現在では、試験の合格祈願、未婚女性の良縁祈願などでもメヘンディが描かれるとか。そして結婚式では、新郎新婦の幸せを祈り、新婦の手足に一際細かく華やかなメヘンディがびっしり施されます。より美しく紋様を残すため、描いてから1日以上そのままにして乾かしますが、その間、花嫁は手足を濡らしたり歩いたりできないため、身の回りのことは家族の手助けが必要になります。ヒンディー語で「メヘンディをする」と言うと、「仕事ができなくなる」という意味があるというのも納得です。

なんだか大変そうなメヘンディですが、街中には観光客が手軽に試せるような、手のひらサイズの安価なものもあります(所要時間30分ほど。50ルピー〔約130円〕〜)。インドを訪れた際はぜひ、この不思議な色の力にあやかってみては?

絞り袋にヘナペーストを入れ、器用に絞り出しながら模様を描きます。

現地で販売されているメヘンディのデザインブック。レースのような細やかさ。もはや神業です。

現地で販売されているメヘンディのデザインブック。レースのような細やかさ。もはや神業です。

絞り袋にヘナペーストを入れ、器用に絞り出しながら模様を描きます。

TEXT & PHOTO by Ayumi Urano / dcd

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