ベトナム中部に位置し、1996年に古く美しい町並みが世界遺産にも登録されたホイアン旧市街。16世紀末以降には日本人をはじめ、ポルトガル、中国、オランダからも商人達が来航し、国際貿易が盛んな港町だったことから、建築物や町もどことなくエキゾチックな感じが漂います。
そんな歴史を持つホイアンですが、ふと見渡せば、赤・白・緑・青・黄といった色とりどりの提灯を町中で目にすることができます。ホテル、レストラン、交差点の頭上などなど。バラエティーに富んだ形、ミニミニなかわいいものから巨大なものまで、それぞれの場所に合った大きさのものが、軒下に吊り下げられています。もともとお寺が提灯を灯すようになったのがきっかけらしく、傘のように手軽に折りたためることからお土産物としても人気になり、観光客の増加とともに1970年頃から広がり、今では「ホイアンの象徴」的存在になっています。
昼は提灯そのもののカラフルな色が真っ青な空によく映えます。夜になれば灯が燈り、真っ暗な闇の中に幽玄な色の世界が広がります。町を散策したところ、一番多く目についたのは、やはり「赤のぼんぼり」。お寺も赤い提灯でいっぱい。古い重厚な木の家屋には華やかで高貴な赤がよく似合うからでしょうか。
毎月旧暦の満月の夜には、ホイアン旧市街で一斉に電気を消す、"Full Moon Festival"という夜祭りが行われて、月明かりと柔らかな色提灯の光のみで浮かび上がる世界遺産ホイアンのロマンチックな旧市街を堪能できます。暗闇のなかで、より一層「ぼんぼり」の光の色が輝きます。そんな月夜に数百年前に海を渡ってきた日本人たちに想いを馳せるのも楽しいものですね。

(上段)色鮮やかな提灯屋はとても華やかで町の中心的存在です。かなり大きなものから小さなものまであり、折りたためる手軽なおみやげ物として大人気。
(左中段)真剣に提灯を選ぶ様子。家族と相談しながらお気に入りの一品を選びます。
(左下段)木の家屋にぴったりの赤いぼんぼり。お店やお寺の軒下は赤い提灯がゆらゆらしていました。
(右下段)「ノンラー(バームの葉で作られた帽子)」を被り日差しをよけて、さっそうと自転車に乗る女性たち。そんな静かな日常の場面でも見上げればいつも提灯が。青い空にも彩りを添えます。
TEXT & PHOTO by Masami Kaneko